寿衣(じゅい)

仏教には輪廻転生という、ちょうど車の輪が回るように際限なくめぐりめぐることで、今この世にいる人も次の世には牛になったり、地獄に落ちたり、あるいは天人になったりしながら生死を繰返すという思想があります。
そこで人は、この天(極楽浄土)に生れ変わるように古来より浄土への旅立ちの装束を生前より、箪笥の奥に用意しておくという奥ゆかしい風習が有ります。また、これを生前に用意することで長寿が得られ健康で安らかな人生が送れると言われています。
仏様の世に参る時、この白い寿衣を着れば生前の罪業はすべて自然に消滅し、地獄の責苦を受けずに極楽浄土へ行けると言われています。
この寿衣は、阿弥陀仏様、観世音菩薩様に見守られながら極楽浄土に生まれ変わられることを願い、丹精込めて織り上げられたものです。
延命長寿を祈願して、還暦、喜寿、米寿等のお祝いの品に、喪服を着られる時の長じゅばんとして、お召しになれば、仏様になられた方への冥福を祈る気持ちの上で、これ以上の供養は無いと思われます。
また、札所宝印巡礼の白衣に最適です。

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